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zoom RSS タイムトリップもの その2 蒲生邸事件 宮部みゆき著

<<   作成日時 : 2011/07/11 02:47   >>

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先の記事でも書いた仁-Jin-の最終回。

未だ思い出すと感動に浸る事が出来る名作としてきれいに幕を閉じたわけだけど、この終盤の件を観た時に「おや?この終わりかたって・・・」と感じた。

そして思い出すのは、宮部みゆき著「蒲生邸事件」


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文庫本で680ページ弱からなるこの大作も、いわゆるタイムトリップを題材にした小説。

本の厚みと、時間旅行先が昭和11年2月26日、後の世に言う二・二六事件が舞台であることに抵抗を感じなければ宮部みゆきならではの人物描写や軽妙な展開で、最後まで一気に読めてしまう傑作。

軸となる二・二六事件についても平成の世に生きる主人公、予備校生尾崎孝史の目線中心で語られていて予備知識など全く必要ないので「二・二六事件って何?」という人も、二・二六事件に興味ない人も、ドラマ版「仁-Jin-」の感動醒め止まない人は読んでみてはいかが?

南方仁は、元の世では普通の脳外科医だったけど、タイムスリップした幕末の世では神がかった腕と知識を備えたスーパーマン的な存在となり、それが面白さの一つでもあった。

しかし「蒲生邸事件」の主人公である尾崎孝史は、父の期待を背負った大学受験に失敗し予備校生活のため上京してきた被害妄想気味で多少ひねくれた只の青年である。

このひねくれた現代青年の起こす行動や思考は、時に「無茶しやがって・・・」と思わせることもあるけど結果的には当時の人たちにも深い影響を与える。

タイムトリップものの醍醐味といえる、時間旅行者と旅行先に生きる人との時空を超えた出会いと別れとその結末。

「Jin」も「蒲生邸事件」も好きな作品なので、その共通点についてごちゃごちゃ言いません。

ただ「蒲生邸事件」はああいった結末できれいな幕引きだったので、「Jin」の結末はもう一捻りして欲しかった。

出来たら仁の晩年まで描かれていたら良かったなぁ。

それでは蛇足になったかな?


この先ネタバレ有り



蛇足ついでに「蒲生邸事件」のワンシーンについて一言。

ある男が自分が死ぬ間際に、ある女の名前を叫ぶシーン。

彼は彼女を利用しているだけのように描かれているけど、実は彼が本当に愛していたのは彼女だったんではなかろうか?

当時の軍事国家である日本は彼にとって生き辛い世の中だっただろう。

彼がどんなに商才を発揮しても絵心があったとしても、軍人より下に見られてしまう。

まして兄弟に立派な大将がいては、どう足掻いても軍人様には敵わない。

彼の家族の人柄についてはあまり書かれていないので分からないけど、当時の情勢にいる彼からすれば彼女のように多少品がなくても本能的で自分の才能を理解してくれる人間に、より強い近しさを感じていただろう。

はじめは彼にとって彼女はただの道具でしかなかったかも知れないけど、絵の題材にしたりして時間を共にしていく内にお互いかけがえのない存在になっていたんじゃないだろうか?

そして非情で冷酷に描かれていた彼の死に際に出た言葉は、彼女の名前だった。

そう考えると「宮部みゆきの人物描写ってスゲー」なんて思ったりして。


以上、蛇足的考察でした。

wiki情報によればTVドラマ版の「蒲生邸事件」があったらしいが観てみたい。

何処かに転がってないかな?





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光文社
宮部 みゆき

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